萬屋物語(4) ~ 地方初のインターネット情報誌

隔月誌「北陸発!サイバーマガジン 萬屋」新しい事業として取り組みだした萬屋プロジェクトがちちとして成果が上がらない中、3期目に入った当社は、当時の売上の8割強占めていた筆頭株主グループのドラスティックなアクシデントにもろ影響を受け経営危機に陥っていた。
経営者である僕は、膨らむ赤字を何とかしようと資金繰りはもちろんだが、絶対的な収益を確保する策を模索していた。
そこで考えたのが雑誌の発行である。
インターネットはおろかPCも使ってきた年数は長くてもアプリケーションを単に使って来ただけで、PCそのものの知識も関連知識もまったっくなくただの素人だった。僕だけでなく、当社にはグラフィックデザイナーはいたがPCに詳しい社員は一人もいなかった。
なのにその雑誌をローカル初のインターネット情報誌にしようと思ったのは、やれるやれないを超越したせっぱつまった経営状況とこの街で数ある雑誌を押し分け認知させるにはそれくらいの話題性と斬新性、何より時代性がないといけないと思ったからにほかならない。
そして、当社の弱点がさらけ出ないよう専門的な情報はしばらく見送り、ホームページの紹介、そしてこの北陸でインターネットを活用している企業や人を紹介しようと考えた。
また、スタッフの数や力量を考慮し、雑誌というよりタブロイド(小型の新聞)を思いついた。タブロイドならなんとか出せると信じたからである。
しかし、雑誌を発行した経験は僕以外ほかにいない。新刊を出す、しかも、ローカルでは部数では稼げず広告に頼るしかない、どこの馬の骨ともわからない雑誌に広告を入れようとするスポンサーがどこにいるだろうか。ましてや、インターネット情報誌だ。広告を取る営業社員はそれなりの覚悟が必要となる。
日々会議を行いコンセンサスを図りながら、最後の決断は社員にさせた。彼らからは力強い返事で「やりましょう!」と返ってきた。
それが、隔月誌「北陸発!サイバーマガジン 萬屋」の創刊である。